失業保険の金額と給付日数について
気になる支給金額
失業保険の金額は1日あたりの「基本手当日額」と「給付日数」で決まります。基本手当の日当率は、離職前6カ月間の月収や離職時の年齢によって異なるので注意してください。
基本手当日額の計算は、まずは賃金日額を算出します。賃金日額は離職直前6カ月間の給与の合計を180(6カ月×30日)で割りますが、賃金日額には上限と下限があります。
賃金日額を算出したら次は基本手当日額を算出します。基本手当日額は「基本手当日額=0.8×賃金日額-0.35×{(賃金日額-5,110)×賃金日額110÷7,470}×賃金日額」で計算しますが、離職時の年齢や月収によって上限や下限、給付率が異なります。
基本手当日額を算出したら、基本手当の総額を算出します。基本手当の総額は「基本手当日額×所定給付日数」で算出しますが、給付金の所定日数は自己都合と会社都合、どちらで退職したのかによっても異なります。
計算例を紹介
上記のルールを踏まえて、30歳で離職した時の控除前総給与額 (賞与を除く)が40万円だった場合の失業保険はどれくらいになるのか計算してみましょう。
まずは賃金日額を算出します。計算式にすると「(40万円×6カ月分)÷180円=1万3,333円」となります。
そこから基本手当日額を算出すると、給付率が 80%から50%の間に収まるため、「1万3,333円×50%=6,667円」になります。所定給付日数が90日の場合、受給できる基本手当の限度額=基本手当の日額×所定受給日数なので、6,667円×90日=60万0,030円となります。
自力で計算することもできますが、ツールを使えばもっと簡単に答えが出せます。以下に、算出に役立つ計算ツールを紹介していますので、ぜひ試してみてください。
退職NOTEは年齢と直近の年数、勤続年数と退職理由を入力するだけで自動的に計算してくれるツールです。
受給できる期間
失業保険を受け取れる期間は、退職した理由が自己都合か会社都合かによって異なります。自己都合の場合は、雇用保険の加入期間が10年未満なら90日、20年以上なら150日です。一方、会社都合の場合は離職時の年齢と雇用保険の加入期間で大きく異なります。30歳未満で雇用保険の加入期間が1年未満の場合は90日ですが、45歳以上60歳未満で20年以上雇用保険に加入していた場合は330日です。
失業保険は離職後、ハローワークで所定の手続きをすれば受給できますが、すぐに支給されるわけではありません。受給資格決定日(離職票・求職申込書の提出日)から7日間は「待機期間」とされ、離職理由にかかわらず、すべての人が失業手当を受け取れない期間です。自己都合で退職した場合、7日間の待機期間の後、2~3カ月の給付制限期間があり、この期間中は失業手当を受給できません。ただし、会社都合の場合や特定理由離職者として認められた場合は、7日間の待機期間を経たらすぐに支給されます。